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『ひみつ堂』 【天然氷】と純粋氷蜜【ひみつ】のかき氷

天然氷のあかちゃん

「氷のあかちゃんが生まれてるよ」
と氷室のおかみさんが言った。
氷を切り出したあとの池の表面に寒さでうすく氷ができ始めている。
目を凝らさないとわからないぐらいほんとに薄く……。

この氷室では天然氷を子供を育てるよう愛情を注いでに作っているんだなぁと感じ、
それは親方のやさしい笑顔のいくつものしわにも現れているようにも思えた。

極寒の中で自然に向き合い天然氷を作っていくという事は並大抵のことではない。

今や日本で天然氷を作っている蔵元は5軒だけだそうでそのなかの一軒が日光にある三ツ星氷室さんだ。
100年以上も変わらぬ製法・貯蔵を守り続けている蔵元さんである。

そんな貴重な所で、お手伝いをする機会をえることができた。天然氷のあかちゃん_b0195849_19322864.jpg

冬場は杉山の影で1日中池にお日様が当たらない場所で天然氷はできあがる。

僕がお手伝いさせて頂いた日は、三つあるうちの一つの池にしっかりとした
氷ができあがっていて、切り出しを行う日であった。

きれいな無色透明の氷にきりやすいよう線を引き、ノコギリで切ってゆく。
切り出された大きな氷を竹でできた長い竿でゆっくりと池の中を泳がせていき、
氷の蔵のちかくまで運ぶ。そしてそこから竹でできたすべり台で蔵の中へ。
手前から敷き詰めていって体育館のような広さの中を氷でいっぱいにしていく。
僕がやらせて頂いた作業はすべり台の上の氷のスピード調節や氷を立てていくことなのだが、
透き通った氷のできるその澄んだ空気と寒さは、凍えそう、という表現とはまた別で、透明な
冷たさとでも言ったらいいのかもしれない。もちろん、人間の体には寒さの種類など関係なく、
ただただ寒いの一言。そんな中での作業だから、重ねかさねた防寒具だったのに、気づくと
暑くてたまらないほどだった。
でも楽しくて日が暮れるまであっという間に過ぎていった。


僕は天然氷を出荷するまでの想像もつかないくらいの大変な仕事の片隅を垣間見て
天然氷の奥の深さ、その仕事に携わるひとたちのふところの深さに魅了され、
「五色の息を一時にほっと吹き出すばかりなり」と圧倒された1日でした。

効率を優先して多くの人が暮らせる現代の暮らしもありがたく大切なことだけど、
昔の人がやってきたことを変わらないやりかたで続けていくことも
人の心に「人間っていいなぁ」って小さな火をともすのかなと
漠然に考えさせらました。

先日おじゃました 鵠沼海岸・埜庵(のあん)さん、
柏・三日月氷菓店さんで今の季節はもちろんこと一年中三ツ星氷室さんの天然氷を使った
究極のかき氷が食べられます。
# by omodakaya-ice | 2011-01-16 19:35 | 店探しの日々

年始から氷三昧

三が日を数日過ぎたとある日
すごーくおめでたい人から電話があった
「近くにいくから、ご飯でもどうですか?」
ふたつ返事で向かうことに。

『ひみつ堂』の折りたたみ式屋台を作るときに、懇切丁寧に教えてくださった 国立の たいやきや ゆいさんからだった。

たいやきや ゆいさんは国立で素材にこだわった一丁焼きのたいやき屋をやっている
それも屋台で。

伺うといつもお客さんに囲まれて、なんとも幸せな雰囲気を漂わせている。

ご一緒にご飯(お酒です・・・)するのは初めてで

〔季節外れの話すんなってお隣の目線を横目に〕たい焼きの話、かき氷の話に盛り上がり
三時間があっという間に過ぎていった。


その週末

一年中かき氷を出しているお店 鵠沼海岸の埜庵(のあん)さんへ
真冬にかき氷を食べる人なんているの??
と思っていた僕だが、出かける前にお店に問い合わせると
「・・六組ほどお待ちいただいております・・・」
とスタッフの方・・・

えーーー

車ででかけお店に着いたころには夕方になっていたが、
満席ですぐには入れなかった。

オンシーズンにはテラス席で使っている所に
大きなテントを張り、暖房をつけ待合室に。
寒いところにお客さんを待たせない心配り。
暗がりの小さな照明が、いい雰囲気でなんだか秘密基地みたいだ。

しばらくすると声をかけていただき、オーダーしてから
暖かい二階の部屋へ。
三人で入店しておきながら、さすがに冬なので残すことになるよりいいかなと、
抹茶といちごのかき氷をひとつずつ注文。

すぐにかき氷が運ばれてきて
早速いただく。

美味しい・・・
一口食べると止まらなくなり、
箸じゃなくてスプーンがとまらないとはこのことだ。

特にいちごのかき氷ほんとに美味しく
息子と争って食べるはめに
あげくの果てにオカワリまでしてしまった。冬だというのに・・・

三人とも大満足でお店をあとにした。


その次の日もまたまたかき氷

ウチの近くの柏にある 天然氷のお店 三日月氷菓店さんへ

息子とふたりで。

こちちは冬の間はパンケーキにも力を入れていて

パンケーキといちごのかき氷を注文。

かき氷はどうやって作るの?と不思議になるくらい
すごく綺麗に氷がかいてある

オオハマサンゴ(珊瑚)に模様がついているようだ。

シロップも薄いピンクで上品な味、パンケーキともに美味しく頂きました。


それから帰る道すがらのスーパーで

気になっていた品種のいちごを見つけたので
他の品種二種類を衝動買いして

家についてから
シロップを作り、かき氷を作って
試作会を行いました。

人に食べさせたがりの僕は「〇〇さんに差し入れしよっか!」

間髪いれず 「やめとけ!!」 怒られました・・・


この食べさせたい衝動は暖かくなるまでおあずけで、しっかり研究します。

今年もかき氷屋台『ひみつ堂』をよろしくお願い申し上げます。
# by omodakaya-ice | 2011-01-13 20:59 | 店探しの日々

熊のおやつ 【 天然の山ぶどう 】 届く

熊のおやつ 【 天然の山ぶどう 】 届く_b0195849_16343096.jpg

昨晩、大きなダンボール一杯に山ぶとうが届いた。正真正銘の天然ものの山ぶどう。夏に知り合いの秋田県東成瀬村に住む農家の杉山さんに「来年のかき氷に是非使いたい」とお願いしていたものだ。杉山さんの家でジュースにしているものを頂いて、感動したもの。生のものを見るのは初めてで想像していたものより粒が大きい。大小まばらなのだが大きいものはデラウェアぐらいある。一粒口に入れると
「うー酸っぱい!」皮の硬さと身の柔らかさにとげとげしい種。山の恵みを全身に感じた。
さぁ、これから袋詰め作業、山ぶどうは砂糖漬けにして保存すると発酵スピードが早いので来年の夏にはワイン化してしまうこともあるので粒のまま冷凍して冷凍倉庫に預けるのだ。一粒一粒傷つかないよう枝から外す。もいでももいでもダンボールの中の山ぶどうは減らない。現代生活に慣れた僕には少し面倒な作業だが不思議と心落ちつく。せがれも「ひまつぶし、ひまつぶし」と言いながら手伝ってくれる。
家族と長々単調な作業をしていると、普段でないような話題の会話でのんびりできて案外いいもんだ。
杉山さんの手紙によると今年は山の木の実が不作で、ブナの実やどんぐりがほとんどないそう。

それで熊がいつもより早いペースで山ぶどうを食べるので、見つけるのが大変だそうだ。
山ぶどう取りの時には出会わなかったそうだが、今年はきのこ取りの時に熊に出くわしたそうだ。
コワイコワイ・・・
そんなまでして取ってきてくれた山ぶどう。

かき氷の氷蜜(ひみつ)になるまで、大事に守っていきたい。

『ひみつ堂』
# by omodakaya-ice | 2010-10-21 16:59 | 店探しの日々

バイキンマンをいじめない

生物多様性条約会議が開催されてます。

ん?なんじゃそれ?

生態系のトップから微生物にいたるまで種類を減らさないようにする世界的な取り組み。

除菌ブームだったりしますが、あんまり過度になりすぎるのも・・・
朝の味噌汁にホッとするのも、ナッパン(納豆トースト)が食べられるのも、ぬか漬けが毎日違う味で楽しめるのも、お刺身を数倍うまくするお醤油さんも、みんな菌類たちの働きのおかげ。

アンパンマン!あんまりバイキンマンをいじめちゃダメだぞ!(笑)

だめだったり、邪魔だったり、必要ないと感じてしまったりするものが、以外にナイスな働きをするなんてことも結構るんだよなぁ。

かき氷にも以外なものがマッチしたりして・・・

思いだした!
森羅万象っていうんだっけな?
中学の時の大キライな先生がよく言ってたなぁ。
いい事言ってたんだなぁ。


『ひみつ堂』
# by omodakaya-ice | 2010-10-18 21:47 | 屋台に感謝

かき氷屋台を出したわけ

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今年の『ひみつ堂』の営業は終わりましたが、
ありがたい事にこの出店情報ブログを覗いて頂いてくださるお客さんが結構いらっしゃるので〈かき氷屋台〉を出した経緯でも。

五年前の冬(平成18年)にさかのぼります…

漠然と自分達だけの為以外に、お金を使う事・時間を使うことを、一つでもしたいと思って
(宝くじが当たった訳でも、昇進した訳でもありません〈笑〉)
少な~い冬のボーナスから車の荷台一杯に駄菓子を買い込み
近所にある児童養護施設に年一回差し入れをしてました。
相手の事を考えた行動というよりは、
人の為になにかやってるというような自己満足だったのかも知れません。
ボランティア精神が旺盛なわけでもなく、そういう言葉もしっくりこない…
ただ自分なりの形で少しでも「人に喜んでもらうこと」がしたいと思ったから。

それから
三年目は自分で手作りの差し入れがしたいと思い冬には間に合わず春になり、 単純に「夏にかき氷だ!」と業務用のかき氷機を購入しました。
あれこれとかき氷を食べ歩き、かき氷屋さんで少し勉強させて頂いて、なんとか人に出せるかな?となり、熱い日を選んで施設に差し入れに・・・
思いのほか、子供達・先生が手作りシロップのかき氷を喜んでくれた「子供達の笑顔」嬉しかったなぁ。

飲食畑を多く歩いてきましたが、ここまで人を笑顔にする〈かき氷〉ってすごいなと思い、かねてから自分で店をやりたいと思ってましたので、まずは屋台から出発と二年前の流山花火大会に初出店させて頂くことになりました。

お陰様で二年間で沢山のお客さんの笑顔に出会いました。
回を増すたびにうちの氷を喜んでくれる人、たかだか屋台の氷屋に何度も足を運んでくれるお客さんにもっと喜んでもらう為にがんばりたいと思うようになりました。
商いと考えると、何杯売れるか?も考えますが、今では、できるだけ一生懸命やってただ喜んでもらたいと頭の中はかき氷一色の変なおじさんになってしまいましたとさ。


冬の間はしばし冬眠です。

来春まで出店情報はありません。

つまらないブログですが、冬眠中も、たま~に更新しますので、覗いてみてください。

『ひみつ堂』
# by omodakaya-ice | 2010-10-11 18:29 | 屋台に感謝