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『ひみつ堂』 【天然氷】と純粋氷蜜【ひみつ】のかき氷

感動の沸点

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ヴィオロンさんでレースからフランスの話になり「僕は行ったことがありませんが、昔うちの女房が行ったことがあって…」「ご感想は?」と唐突に仰るので一瞬詰まったが、その昔の会話を思い出し「教会で見たステンドグラスがあまりにも綺麗で涙が出たっていってました。」「そう、ステンドグラスなら上のギャラリーにあるわよ。見てらっしゃい」
スリッパのまま、建物の中で繋がってるドアから2階のギャラリー「アートの庭」さんへ。一階の目線の高さに光の差す中庭があり、変わった一軒家の構造を理解するのに戸惑う。二階も空間が段差に別れいわゆる四角い空間でなく東西南北以外の方向にも壁があり部屋自体が多面体。由緒正しい茶室があって洋と和が混ざり合う。ギャラリーの中をかなり見回したが(ステンドグラスなんてない…)目立つのは手に取りやすいサイズの筒状のものなどが点々と置かれてある。「お手にとってご覧ください。」小さな穴の空いた筒。(なるほど、万華鏡かぁ…)ギャラリーの方の説明通りに、構え・覗き・回す「……すごぃ」ほんとにホントに綺麗。自分の尺度で申し訳ないが「食べ物と自然と芝居以外で感動したのは数年ぶりです!」小さな頃に見た千代紙を貼った万華鏡。あれはあれで風情があるが、こちらの万華鏡は想像を絶する。丸の内の暮れに現れる光の芸術にも引けを取らないんではなかろうか。時折出てくる光の反射は海に煌めく無数の光並みに綺麗であったかと思うと孔雀の羽の模様が細かく幾重にも重なったようになったりと、無数の柄と色と光が幾何学模様で滑らかな曲線を作り、予想できない展開を繰り広げる……(とても僕のつたないボキャブラリーでは表現できない。)「同じ絵柄は出てきません、パターンは無限です。万華鏡展は最終日になりますので。」さりげない殺し文句に最後の一押しをされて、ついつい一つ買ってしまった。。無限の光のパターンに吸い込まれ陶酔させられる大人用の万華鏡。童心のワクワク感が蘇って「ちょっと行ってきます。」と時間を区切らなければ帰ってこれなくなってしまうかも知れない。

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ここ何年かは片道15キロの原付き通勤。時折「運動しなきゃ」とペダルを必死に漕ぐことも。自転車は「いくぞ」と気持ちを奮い立たせるのが大変な作業で、いざと決めていても靴をはくまで迷ってしまうが、乗ってしまえば空気から季節を読み取れて搔く汗が心地いい。次の日にまた原付きに跨れば楽を堪能できるし、文明のスゴサも新鮮に感じる。当たり前の事が多くなり過ぎて、現実が想像を超えないまま感動する機会が減ってしまうのは味気ないので、毎日のぐるぐる感に面倒を取りいれるのが時間を美味しくする苦肉の策になっている。
by omodakaya-ice | 2011-03-03 22:52 | 店探しの日々
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